赤穂、日生、姫路への旅

ゆったりとした旅を楽しみます

東京から京都に二年前引っ越しをして、つくづく思うことがあります。東京は過密だったと。
三密を避けて欲しいと言われても、もともと密な町です。密を避けようと言うのなら、東京を離れるのが一番です。東京の皆さん如何ですか? コロナが収まれば、東京を離れることを考えましょう。大都市集中型ではなく、地方分散型社会を。アフターコロナの最大の指針です。地方都市では密をさけることは実は簡単なのだと言うことを、地方都市に行って確かめましょう。go to travelキャンペーンを使えば、安く行けるのですから。
京都の日常も密ではないですが、他の地域についても確かめたくて、ゆっくりと旅に出てみました。
長く乗り物に乗ったり、駅で慌ただしく乗り換えたり、そんな旅になれば疲れるし、コロナ感染の危機も増すだろうと、近場の旅に出ることにしました。忠臣蔵で有名な赤穂ですが、海辺の温泉があるのです。

赤穂へ

京都から赤穂へ。京都駅からJRを使うのですが、新幹線を使う必要はありません。京都から新快速で乗換え無しに姫路まで行けちゃうのですね。ちょうど首都圏で言えば横浜から宇都宮まで、乗換え無しに在来線の特別快速っていいましたッけ。一本で行けるみたいに。姫路で降りたら隣のホームに播州赤穂線の各駅停車が待っていますから乗換えも楽。でも播州赤穂線みたいなローカル線でしか行けないために、赤穂はあれほど忠臣蔵で有名でありながら、観光客で溢れかえるようなことにはならないのですね。銀波荘という温泉旅館に泊まりましたが、駅には旅館からの送迎バスが待ってくれているので、それに乗って行きます。まずは赤穂温泉からの光景をお楽しみ下さい。

  • 赤穂温泉銀波荘のラウンジ「ロカ岬」からの風景
  • 赤穂は忠臣蔵の町
  • 岩場干潮になれば歩いて渡れる

如何ですか? 瀬戸内海が美しいでしょう。ここの露天風呂は面白いのですよ。海を見ながらの露天風呂は日本各地にあると思いますが、この旅館の露天風呂は結構ユニークです。そのユニークさの第一は、女性用風呂の方が男性のものより立派なのです。広さと言い眺めと言い。
そしてその作りも特徴があります。体を伸ばして風呂に深く入ると、お湯の面がそのまま海面に続いているような錯覚を受けるのです。まるで海につかっているような。そのために工夫があって、湯船の縁の先がとがっていて、ほとんど見えないように工夫されているのですね。賢い作りと思います。
男性の風呂は大きさは小さいもののそれでも充分満足できるものです。また朝は男女入れ替わりますから、上に述べた風呂を体験することが出来ます。

ロカ岬と夕日

上の写真に旅館のラウンジがロカ岬ということを字幕で示しました。ロカ岬というのはポルトガルにあるユーラシア大陸最西端の岬のことです。旅館のオーナーさんがロカ岬が好きなんだそうで、この名をつけたのだとか。私はリスボンに一年半ほど滞在していたことがあり、滞在中ロカ岬を含めたポルトガル海岸が大好きで、トレッキングを週末何度も楽しみました。地図を見れば解りますが、ポルトガルは大西洋に添って南北に長い構造をしています。つまり海岸は西に向かっているのです。言い換えれば夕日が素晴らしく美しいのです。

赤穂温泉からの夕日もとても美しい。下にその様子をお見せしましょう。

  • 海に日が落ちようとしている
  • 海に映る光線に注意

ポルトガルのロカ岬にはポルトガルの国民的詩人ルイシュ・カモンイシュの有名な詩のフレーズがポルトガル語で書かれた碑が建てられています。通常そのフレーズはこう訳されます。ここに地が終わり海が始まると。そこで訪れる人はカモンイシュが最西端のこの地に立った感慨を歌ったものだろうと考えます。
カモンイシュは大航海時代の人です。壮大な叙事詩「ウズ・ルシアダス」の中にあるこのフレーズは主人公ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカを航海中に訪れた現地の君主にポルトガルのことを誇らしげに紹介する場面で出てきます。まずヴァスコは、ヨーロッパを誇らしげに紹介し、次にイベリア半島(イスパーニャ)の紹介に移ります。その中でヨーロッパを体に、ピレネーを首に見立て、イベリア半島を欧州の頭と呼んだ後、ポルトガル(当時は王国)の紹介に移ります。ちょっと訳してみました。

地果て 海始まるところ 海に日の 憩えるところ

全欧州の頭に頂く王冠のごとき王国有り

こぞルシタニア・ポルトガルなり

そは我が祖国 我が故郷 我が愛を育みたる地なり

我が使命 いつの日にか 果たし終え 再度 我 帰るあたわば

我満ち足りて 死の床につかむ 

これで解ると思いますが、カモンイシュはロカ岬のことを歌ったのではなく、ポルトガルのことを地果て海始まるところと詠んだのでした。

時代の危機を幾度か上手に乗り越えたポルトガル

大航海時代を先導した国はポルトガルです。エンリケ航海王子のもと、海に活路を求め、ヴァスコ・ダ・ガマに率いられた艦隊が喜望峰を回りインドに達しました。そしてインドを基地としたポルトガルは、更に東へと進出し、日本にやってきた最初の西洋人となりました。日本とも歴史的に関係が深い国です。
この大偉業は実は危機を乗り越える方策でした。レコンキスタを最初に達成し独立国となったポルトガルは、その後レコンキスタを次々と達成するイベリア半島の他の諸国を先導する形となりました。そして他の諸国がカステーリャに統一されて行く中で、大国カステーリャに押されるようにして海へ活路を開いていったのが、大航海時代に繋がったと言うわけです。まさに地が果てるところ、海への活動が始まったのです。大きな時代の変わり目でした。
その後も大きな危機が訪れます。リスボン大地震です。その凄さは今もリスボン市内の教会の一つーカルモ修道院ーに残っています。リスボンを初めとして、ポルトガル全土は決定的ダメージを受けました。
リスボンの中心を丘からテージョ川に向かって一直線にリベルダーデ大通りが通っています。パリのシャンゼリゼ大通りを模倣して、リスボン復興の指揮を執ったポンバル侯爵が造った大通りです。壊滅的にリスボンに打撃を与えた大地震を乗り越え、リスボンの町は美しい町としてよみがえりました。いくつかある丘の上から見たリスボンの眺めは、私が最も好きな景色の一つとして、鮮やかに記憶に残っています。
隣の大国カステーリャに押し出されて海へ活力を求め、大航海時代を先導したポルトガル、未曾有の大地震に壊滅的打撃を受け、壊された町を美しくよみがえらせたリスボン。
コロナ渦の中にある我々も、これをきっかけに新しい時代へと、大きく羽ばたきたいものです。

日生へ

JRの切符の規則は面白いですね。私は老齢ですからジパングクラブを使います。これは簡単に言えば200km以上の切符は原則3割安くなるというシステムです。結構大きいですね。go to キャンペーンと違って通常でも使えます(盆正月のハイシーズンを除く)。京都から赤穂までは200kmありませんから一見使えないように見えますが、往復では軽く200kmを越えますから往復にすれば使えます。
しかしその場合問題が起こります。京都も赤穂も大阪大都市圏ですから、片道に一日しか使えず、また途中下車ができません。大阪大都市圏はあくまではっきりと出発点から目的地までの鉄道だと考えられているのです。
京都から赤穂まで片道の正規料金は3080円です。一方JR赤穂線の少し先の駅日生(ひなせ)まで行っても同じ料金です。そして日生は大阪大都市圏外の駅です。つまり京都ー赤穂間のチケットは、片道の有効期限が一日だけさらに途中下車不可能の券ですが、京都ー日生間の券は途中下車が可能になるし、有効期限が二日に増えます。
同じ値段ですから、ゆったりした旅行を楽しもうと思えば、京都ー日生間の切符を買うほうが良いというわけです。ただし通常の券売機では買えなくて、緑の窓口に行かなければならないと思いますが。
ジパングを使うと思えば、もともとこの割引券は緑の窓口で買わなければならないですから、今回緑の窓口で京都ー日生の往復券を買いました。往復で4312円となります。京都ー赤穂の往復券もジパングを使えば4312円ですが、有効期限が変わります。日生までだと、往復は四日間通用、赤穂までは二日間史家通用しません。また途中下車も出来ないから出来るに変わります。ややこしいですね。
京都ー日生の切符で赤穂に降りると途中下車になります。そしてそのまま帰りの券を赤穂から使い始めてもJRのルールには反しません。赤穂ー日向間の旅行の権利を乗客自身放棄しただけのことです。
しかし時間が許せば日向にせっかくだから行く方が得でしょう。ここは漁港であり、取れたての新鮮な海産物を買うことが出来ます。そしてその隣のレストランで、バーベキューが出来るのですね。バーベキューに必要な道具一式はそこで貸してくれます。今回行ったのですが行った日がちょうど水曜定休日でした。残念。この次はきっと行くぞ。無人駅の観光案内のお姉さんが、いろいろ教えてくれました。おしゃれなカフェや海産レストランもいくつかあって、岡山から自動車で若い人達がランチを楽しみに来ています。でも決して密にはなっていません。

姫路

帰り道では姫路で途中下車。京都ー赤穂間の切符は前述のように大都市圏切符になるので、姫路での途中下車は出来ないと思いますが、京都ー日生間の切符だから可能になります。
姫路城は最近改築され美しさを増しました。そして駅前も整備され、駅前から姫路城がストーンと見晴らされ、まるで絵のようです。下に写真を貼り付けました。ご覧下さい。

姫路駅から見た姫路城

赤穂、日生、姫路の4日の旅でした。どこも密ではなく、若い人達も楽しめるようになっています。アフターコロナではこのような地方都市が見直され、大都市集中が止まり、歴史の流れが変わるのではないか、そのように期待しています。地果て海始まるところ 海に日が憩えるところ。一つの時代が終わり、次の時代が始まろうとしています。終わろうとする時代の太陽はまさに落日の最後の光を投げかけ、新しい太陽がまた生まれようとしています。
大都市は古い太陽、そして地方都市が新しく輝き出します。それを実感しに、充分な感染予防の上、皆さん地方都市に旅に出てみませんか。go to キャンペーンがその手助けをしてくれるでしょう。
go to travelキャンペーンは、旅行代理店経由での予約となります。私が昔から使っているじゃらんも、キャンペーンを取り扱っています。下のバーから入って宿の予約をすれば、新たなポイントが生まれ、千年文化を考える会への寄付になります。一人一人の寄付は小さくても、沢山の人から寄付が集まれば・・・。
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