コロナ禍の中での熱中症対策の物理的考察-1 汗

コロナ対策しながら熱中症対策 

コロナの第一波が何とか収束したと思えば、蒸し暑い梅雨に入りました。これからコロナを警戒しながら、夏の暑さにも耐えていかなければならない、嫌な時期に入ります。

テレビニュースでも、マスクをしながらの熱中症対策などが、取り上げられるようになりました。私南駄老も、エネルギーの一般的な観点から、熱中症について情報発信をしていきたいと思います。この記事はシリーズで書いていきます。順に読んで頂ければ、夏を出来るだけ快適に過ごすための知識を得ることが出来るはずです。是非順にお読み下さい。この記事がシリーズの初めとなります。
熱中症は通常お医者さんが専門的な観点から注意を喚起されます。私は物理学者です。物理学的な観点から、熱エネルギーを上手に避ける方法を考えて見ます。いつもとは異なる観点から考えると、なるほどそうだったのかと、納得していただけるだろうと思っています。

熱中症防止に水をこまめに飲めと常に言われます。手始めにその理由を基本から考えてみませんか? 基本は常に簡単です。

外気温が高いとき、人の体温を36℃程度の適温に保つためには、汗を蒸発させ、体から出る熱を逃がさないといけないからです。汗は体内の水分が出たものですから、水を飲んで補給する必要があるのです。

外気温が40℃でも快適?

こういう話聞いたことないですか?「この夏スペインに行ったんだけど、外は40℃近いのに汗もかかずに快適だった。」スペインでもどこでも良いですが。
これは間違いです。汗をかいてもすぐ乾くから快適だったというのが正解です。

基本からの熱中症防止の理解に大切ですから、分析をしておきましょう。

リスボン(ポルトガル)のお城から見たテージョ川

四季を通じて人は体内から熱を出し、出した量の熱を外に逃がす

人は食べ物を燃焼させ活動します。燃焼の結果体内から熱を出します。その熱が体温を上げます。そこで生命維持にふさわしい温度(36℃程度)の体温になりますが、その状態を保つために、体内から出る余分な熱を常時外に逃がす必要があります。夏でも冬でも四季を問わず同じです。

外気温がおおむね25℃以下の場合、衣服で逃げる熱を調節する

夏ではない時期、人は衣服を調節して逃げる熱をコントロールします。外気温が低いとき、人は厚着をします。
熱は常に温度が高いところから低いところへと流れ、温度差が大きいほど流れる熱は大きくなります。衣服は逃げる熱を抑えます。寒いほど厚着をするのは、逃げる熱の遮断効果を大きくするためです。

温度差が小さく熱が十分逃げなければ、汗の気化熱で熱を逃がす

夏になって外気温が上がっていくと、人はどんどん薄着になります。そして更に外気温が上昇すると、温度差だけでは逃がす熱が充分まかなえなくなります。そうすると残った手段は、汗をかきそれを蒸発させて熱を逃がすしかないのです。

外気温が高くなるほど、蒸発する汗の量が増える

外気温が高くなればなるほど汗をかく量が増えます。
外気温が体温より低い場合、温度差による熱の移動が、体内から体外へ向くことは夏以外の季節と同様です。しかし温度差が少なくなれば、この流れの量が充分でなくなります。だから足りない分を汗の蒸発で補います。
さらに外気温が体温より高くなったとしましょう。その場合温度差に拠る熱の流れは逆転し、体外から体内へと変わります。この分も加えて体外へ熱を逃がす必要から、発汗の量も増えます。外気温40℃の場合、相当量の汗をかいているはずですが、湿度が低いためあっという間に蒸発しているというのが、先ほど述べた場面の正しい解釈です。

蒸発した分量だけ、水の補給が必要になります。

どの位の水が蒸発すれば体外に適切な分量の熱を逃がすかは簡単に計算できます*)。外気温が体温と同じと仮定すれば、1秒に約0.04gの水が必要と解ります。つまり一時間で約150g、半日(12時間)で1800gです。ペットボトル大一本ですね。夏暑いときには、普段よりペットボトル大瓶2本くらいは、たくさんの水分を取りなさいねということです。汗は水と一緒に塩分を出しますから、その塩分も補給しないといけません。
通常はエアコンを使い部屋の温度を28℃とかにします。その時は熱の半分は温度差で逃げていくでしょう。それに伴って、余分な水の補給はペットボトル大瓶1本程度に収まるでしょう。あくまで目安の分量です。でも結構多いですよね。普通のペットボトル(500cc)三本超です。

  • *)文系人のためのエネルギー入門、小池康郎著、勁草書房2011.
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汗は蒸発させなくては

上の考察で見たように汗は体外への放熱という役割を担います。そのメカニズムは汗の蒸発です。
汗の蒸発は湿度が低ければ自然に起こります。先のスペインの例で言いますと、外気温40℃でも快適なのは、湿度が低いので出た汗がすぐ乾くからです。多くの人は汗もかかずに快適だと考えてしまいますが、出た汗がそれと気づかず瞬時に乾くから、そのように錯覚するだけなのです。
乾かない汗は気持ち悪いから拭きますね。もちろん快適さを保つために拭いて下さい。拭いた量が一日ペットボトル1瓶なんて大量にならないことで、ほとんどの汗が実は蒸発していることが解ります。でも快適なのはすぐ乾くことと理解すれば、それなりの工夫もあるわけです。
汗を蒸発させるには風が最も有効です。扇風機を上手に使いましょう。扇風機は夏の暑さ対策に生まれた最初の家電ですが、意外と役に立ちますよ。是非扇風機を見直して下さい。
扇風機は進化しました。例えば、下の扇風機(サーキュレーター)は可愛らしいでしょう。でもすごくパワーがあって、コロナ対策にも必要な換気にも使えます。扇風機の新しい魅力はこのシリーズ記事の次の記事で改めて紹介しますが、消費エネルギーが少ないことにも注目して下さい。エアコンの数百ワット程度に対し、扇風機は数十ワット以下です。
一方で可愛らしい小出力の扇風機などを見ることも多くなりました。おしゃれで考えていただくのならよろしいですが、小さな扇風機は例えば顔の一部に小さな風を送るだけみたいな形になります。体から熱を逃がすという趣旨から言うと、本来体全体から逃がすのですから、一部可愛らしくでは、あまり効果は期待できないのではないかと思われます。

このシリーズの記事では、通販へのリンクが張ってあります。コロナ禍の中でのお買い物で、人混みの中に行きたくない方などおられるかも知れません。こちらの通販のリンクからお買い物をしていただくと、お買い物をする方にとっては、ポイントなどを含めて通常の通販利用と全く変わりなくお買い物ができます。しかし新しく小さなポイントがついて、それがまとまって当会(NPO法人千年文化を考える会)への寄付となりますので、よろしければご利用下さい。
汗をかくことで熱を逃がすという、汗の役割をしっかり認識したら、夏毎日のお風呂あるいはシャワーのありがたさも解ると思います。このように基本から考えればさまざまな事に納得がいくと思っていただければ幸いです。

まとめ

人は体温を保つために衣服と汗という仕組みを持っています。夏は汗を蒸発させることで、体内から熱を体外に逃がしています。汗で逃げた水分の補給が熱中症対策に必要なのはこの為でとなります。汗を蒸発させるには、風が役に立ちます。扇風機を上手に使いましょう。また除湿も大切になります。

以下2以降に続きます。

熱中症対策-2に行く>>

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

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