クールビズが示す失われた30年

クールビズの効果はゼロだった

クールビズは何のためにあったのでしょう? 皆さん解りますか?
え、何の為だったんだろうって言わないで下さいね。現在渦中の小池百合子氏が環境相時代に先導した事業ですよね。環境の為に行なったのでしょう。さらに言えば21世紀に入って環境の代名詞となったCO2削減の為ですよね。
ではクールビズのかけ声で、CO2が削減できたのでしょうか? 
今回のコロナ禍で、皆さんデータを気にするようになったのは、大変良いことですね。新規感染者数を気にするようになり、単に緊急事態宣言あるいは解除とか、東京アラート宣言解除だけでなく、緊急事態宣言や東京アラートが本当に役に立ったのかと、マスメディアでさえ問いかけるようになりました。
感染者数というデータを見ると、東京アラートが成功したとは誰も思いませんよね。データを素直に見て、だまされないぞという意識を持っていれば。
それではクールビズは成功したのでしょうか。言い換えればCO2削減はどれだけ達成されたのでしょうか

1990年~2018年まで、一人あたりのCO2排出量は、日本ではほとんど改善されていません

マスメディアもきちんと調べるべきでしたね。小池百合子氏の政治家としての業績と報じるのなら。だって現在進行形の話ではなく、もう15年ほど前の出来事です。それも難しい調べごとではなく、IEA(International Energy Agency)が全世界のデータを全世界に向けて公表しているのです。IEAが現在そのHPで公表している、全世界の一人あたりのCO2排出量について、日本のデータをこれもIEAが作成しているグラフで示したのが、次の図です。スマホでは見にくいでしょうが、PCがあればきちんと見られると思います。

1990年~2018年までの、一人あたりのCO2排出量の変遷(日本)。
縦軸は一人あたりCO2排出量をトンで表す。

どうです。ちょっと見ただけで、30年間ほとんど変わってないじゃないかと思うでしょう。ちょうど東京アラートがあったに関わらず、感染者数への影響はないのではないかと思うように。
数値で書くと1990年に8.4tonだったのが、2018年では8.7tonです。ほとんど変化していません。またクールビズが始まった年は2005年ですが、2004年、2005年、2006年、2007年をみると、それぞれ9.1、9.1、9.0、9.3トンです。
そして図からも明らかに解るように、翌2008~2009年に比較的大きく落ち込みますが、これは2008年9月に端を発するリーマンショックによる不景気の影響です。その後2010年から増加に転じ、2011年の原発事故にもかかわらず増加を続け、2013年に最大値9.7tonまで上昇し、その後ようやく少ないながらも確実な減少に転じて、8.7tonまで下がります。
2014年からの減少は、自然エネルギー買い取り制度によるもので、これは曲がりなりにも成功を収めていますが、クールビズは全く役に立っていないことが、図を素直にみれば解ります。クールビズが全く役に立っていなかったことを示せなかったことを、マスメディアは深く反省しなければなりません。
ちなみに一人あたりのCO2排出量の1990年と2018年の値を先進諸国で見てみましょう。

  • ドイツ   11.8 ⇒ 8.2 ton/人
  • フランス  5.9 ⇒ 4.4ton/人
  • スウェーデン 6.1 ⇒ 3.4ton/人
  • イギリス   9.6 ⇒ 5.3ton/人
  • アメリカ   19.2 ⇒14.9 ton/人

>>これを先の日本のグラフと見比べて下さい。

このようにヨーロッパを中心として、CO2排出量削減は確実に進んでいるのです。

失われた30年ーだまされ続けた日本国民

バブル崩壊後、日本経済は停滞しました。失われた20年と経済面では言われています。その後安倍政権が長期に続き、アベノミクスで経済は改善されたと安倍政権は言っています。しかし多くの日本国民には、その感覚は無いのではないでしょうか。
経済の指標は複雑ですから、マスメディアや野党は、専門家に任せるという風潮が定着しました。専門家に任せるというのは、思考停止を意味します。簡単なことくらい自分で判断し大筋は自分で考え、細部を専門家に相談する。それが人の人たる所以です。疑うことから始めよ、というのが近代哲学の祖、デカルトの主張です。
経済の指標と異なって、科学の指標は簡単です。新規感染者数は誰でも解る指標です。同じようにCO2排出量も。それを元にして自分で考えてみる。それが各人が真実に迫る唯一の道であり、そしてそのような個人が集まって、始めて民主主義が生きてきます。
CO2削減に日本は失敗しています。それはデータから明らかです。東京アラートは意味がありませんでした。それもデータから明らかです。
30年の間日本は化石燃料を使い続け、少なくとも今世紀に入ってからは、CO2削減は政府の呪文であり、また社会の呪文でありました。そしてその呪文を唱えておれば、CO2削減が出来ると、日本国民はだまされていました。だますことによって利益を得る何者かがあったのです。
それは日本の社会ではないでしょうか。政府もだまし、エネルギー関連企業もだまし、そして環境専門家もそれに加わりました。エコを気にする人々もそれに加わりました。そして皆が日本は頑張っている、CO2削減に頑張っていると思ってきました。
コロナ禍は否応なしに簡単な指数ー新規感染者数ーを全面に押し出しました。人々は「数」で表されたデータに、こだわり始めました。私はこれは素晴らしくうれしいことだと考えています。だれにでも解る数をもとに、現在を考え、そして未来を考え始めることが出来たら、それは輝かしい日本の未来を拓くことになるでしょう。

都知事選では、だまさない人を選びましょう

もうすぐ都知事選です。新しい日本を創出できる機会です。新しい日本創出が東京都民にかかっています。
失われた30年は、国民がだまされ続けた30年でした。だますのが悪いのではなく、だまされるのが悪いのです。恐らくそれが民主主義の原点でしょう。
だまされたい国民がいれば、だます政治家も出てきます。
経済は滞っているのではなく、発展していると思いたい国民がいて、アベノミクスが登場します。日本は科学技術が進んでいると思いたい国民がいて、原発神話も生まれCO2呪文も生まれます。東京が一番発展していると思いたい都民がいて、それに乗っかる都知事が出ます。
だます人をバッシングするのではなくだまされるのが悪いと考えて、だまさない都知事を選ぶ眼を、洗練された現代都市文化の眼で。心から送る東京の人に対するエールです。

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

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