東京一極か地方の多様性か、感染者に見る

麒麟が来るが終わりますね。上の画像は白川沿いにある光秀の首塚です。戦国時代終焉に向けての光秀の苦闘。その場と明治維新下で自然エネルギー産業革命を世界最初に遂行した北垣国道ゆかりの場が交わります。そしてまたアフターコロナに向けて、時代は大きく変わろうとしています。

新規感染者数の推移

この記事では、まず最初にコロナ新規感染者数の推移を、全国およびいくつかの都府県について見てもらいます。
新規感染者数の推移の全国版を見る
新規感染者数の推移の東京版を見る

新規感染者数推移の全国版です。

第一波、第二波、第三波、段々大きくなって来ています。

続けてここをクリックして東京版を見て下さい。
新規感染者数の東京版です。

え、何か全国版と似ていませんか?

続けて大阪版を見てみましょう
大阪版です

何か少し形が違います。それにギザギザも増えたような。

続いて京都版を見て下さい。
京都版です。

明らかにギザギザが増えています。

続けてここをクリックして和歌山版を見て下さい。
和歌山版です。

三つの波ではなくなったような。一つ一つの波が分かれて。

次に富山版です
富山版です

波が分かれた上、波の大きさも全国版と相関は乏しい。

全国版に戻ってみましょう。

東京以外は全国版とは明らかに違う様相がそれぞれにあります。全国の和から東京だけを除けばどうなるでしょうか? 大阪、京都、和歌山、富山など、それぞれかなり違った感染者数を、東京だけ除外して足してみれば・・・?

東京ー除東京の類似性とその理由

東京ー除東京の図

青色は東京以外での感染者数の推移(7日移動平均)、赤色は東京での新規感染者数を3倍したものです。どうです、不思議でしょう。東京と除東京の感染者数には、強い相関があることが解ります。大阪や京都そして富山などは東京とかなり違うのに、それをすべて足したら、東京とほとんど同じ形の増加減少傾向が見えることになります。何か魔法でも見ているのでしょうか?
東京と他の道府県は何が違うのでしょうか? そう密の度合いが違いますね。都知事がコロナ禍の初期に言いました。三密を避けて下さいと。これは昨年の流行語大賞になったそうです。避けて下さいと言いながら、東京は一番密です。つまり感染が広がりやすく収まりにくい。一方その他の地方は程度の差こそあれ、感染の危険性は低下するわけです。
感染の広がるメカニズムを大まかに考えて見ましょう。
まず地域で広がるメカニズムがあるでしょう。クラスターなど、劇場や施設また家庭などで広がるのがその典型ですが、日常生活でも飲食など地域で広がる可能性は常にあります。これらも密であるかどうかで、感染の広がりの度合いが変わるでしょう。大まかに言えば密であるほど感染が拡大しやすく、縮小しにくいことになります。地域で広がる感染は連続性があります。連続して広がり収束したら、地域とすればそこでストップです。
東京は一番感染が広がりやすく、収まりにくい性質を持っています。一方密でない地方都市ほど、感染は収まりやすい構造を持っていると考えられます。
感染のメカニズムとしてもう一つ考えられるのは、移動による感染の伝搬です。感染が広がっている地域Aから、感染がない地域Bへ人の移動があるとき、あるいは逆の移動があるとき、感染は地域Bへ広がる可能性があります。そして地域Bでも地域内での感染が広まり、地域Bでの感染拡大に繋がっていきます。移動による感染は突発性があります
この二つのメカニズムを頭に入れた上で、東京の感染者の推移と、東京以外での推移を考えて見ましょう。最初に確認しなければいけないのですが、東京では第一次緊急事態宣言以降、毎日新しい感染者が見つかっています。感染が一度もストップしていないのですね。
それに対して地方都市では、感染が飛来してもすぐ収まろうという性質を持ちます。その地方の密の度合いが低くなるほどその傾向は大きくなるでしょう。つまり内部感染の度合いは小さいことになります。
そういう地方にも外部の感染が多い地域から移動による感染が持ち込まれます。感染の内部拡大は内部で継続して起こりますが、移動による感染は突発的にやってきます。先の簡単化した模型では、地域Aからの移動者が、感染を持ってくることで起こります。人の移動は毎日継続していても、その中でウィルスを外部に排出する人は突発的でしょう。このように外部からの感染は時々突発的にやってきます。そしてしばらくの間、地域Bでも広まるかも知れません。しかし密の度合いが少ない地方ほど、素早く収束に向かいますが、また次の突発が続くかも知れません。それは地域のAの感染の広がりに影響されるでしょう。
一方地域Aから出て行く人の流れを考えましょう。地域Aから出て行く人も定常的な流れを作ります。そこでウィルスを持って地域Aを出て行く人の数は、地域Aでの感染の度合いに比例することになります。
さて地域ABの考察から東京、除東京の問題に戻ります。東京は一番密ですから、地域内部で感染が最も広がりやすい地域であり、東京の感染の増減は主として東京内部の事情によると考えていいでしょう。
一方その他の地方は東京よりも内部感染は収まりやすいと考えられます。そうすれば突発的な外部からの持ち込み感染が、重要な要素となります。感染カーブにギザギザが出来たり、波が分かれたりするのはこの為です。また東京と比較しても感染者カーブは一致するとは限りません。
一方東京からの人の流れは大きく、全国へ散らばっているでしょう。例え直接ではなくとも、他の地方経由でウィルスを全国に広める動きは絶えないはずです。そしてウィルスを持って出ていく人の数は、東京での感染に比例しているでしょう。
こうして全国の地方をすべて合わせると、東京からの感染、あるいは他の地域を経由した東京からの感染は、東京の感染状況と強い相関関係が出てきても当然と考えられます。それぞれの府県の感染者数推移が、東京とは異なった動きをするのに対し、全国で足し合わせると、東京とほぼ似た結果の動向になることは、このようにして説明できます。せっかく地域で縮小に向かっても、東京からの突発的移動感染で、すべての地域に感染者が広がっている有様が見て取れる訳です。

収束から再拡大のメカニズム

ここでは収束から拡大へのメカニズムを解析します。収束したのに再拡大するのは、何が悪かったのでしょうか?

第一波の収束から第二波へ

第一波の収束から第二波へのながれ


第一次緊急事態宣言の解除から東京アラート解除までの流れ、この時期の致命的ミスが現在まで尾を引いていると言わざるを得ません。この時の非科学的対応が現在までの流れを決定しています。これについては思い出す度、無念の思いが湧いてきます。
何が失敗だったのか? 一言で言えます。三週間待って次の段階に進むという鉄則を、時の首相も都知事も理解もしていなかった。これに尽きます。きちんとした対応の代わりにお祭り気分のやってる感だけを持ちだした。それが時の首相であり、また都知事だった。そしてそれを国民が許したのが、今まで引きずる元になっています。
5月半ばから5月下旬は緊急事態宣言の段階的解除です。これを時の首相は三段階で行い、第一次解除から第二次までを一週間、第二次から第三次をわずか5日で行いました。
段階的解除はヨーロッパで行われていました。メルケルさんなど行っていたのですが、次の段階に進むまで三週間きちんと待っていました。何故これを学ばなかったのか。何故専門家はこれを提言しなかったのか。
この時に三週間原則を守っていたら、恐らく日本から一時的にでもコロナウィルスを一掃することは可能だったでしょう。それくらいうまく行きつつあると見えた「日本の奇跡」が、第一次緊急事態宣言でした。8割叔父さんがテレビで訴えていた、人に会う機会を8割減少させるまで自粛しなくとも、8割叔父さんが期待した感染者数激減が進んでいました。8割叔父さんはヨーロッパの例を見て、感染者数を素早く押さえるにはと考えて提言したはずですが、少なくとも今回のコロナでは、日本はもともとヨーロッパ諸国に比べて感染拡大の要素が低いことが、3月のデータでも解っていました。私は感染者数を3月には毎日チェックして、週増加率などを計算していましたから、それを知っていました。
緊急事態宣言を受けて、東京でもそれ以外でも、非常に印象的に感染者数は減少していました。確認して下さい。
4月1日から7月15日までを確認する
図では東京以外でのスピードが遅いですが、これは確か北海道でその時遅かったせいで、5月終盤に感染者数がゼロになってなかった地域は東京、北海道、福岡だけだったと記憶します。多くの県では上に述べたウィルスゼロの地域Bになっていたのです。
緊急事態宣言解除のやってる感喜劇は、首相から都知事が引き継ぎます。東京アラートを出して、わずか10日後には引っ込めるという、何の意味もないパフォーマンスを喜劇の舞台で行いました。10日など何の意味もないことを、何故都の専門家達は言わなかったのか、都民は考えなかったのか。都民はその直後の知事選でこのピエロに圧倒的勝利を与えます。
いずれにせよこのような喜劇の中で、東京の感染者数は増加に転じます。第二波はこの喜劇の舞台で東京から始まったのは図から明らかです。そしてまさにそれに牽引されるように、感染者は全国へと徐々に散っていったことが、図から明らかに読み取れます。

第二波から第三波へ

第二波から第三波の移行を見てみましょう。第二波は8月の10日頃には減少に転じました。この理由は特に定かではありません。しかし第二波の減少は東京では9月10日頃止まります。それが9月1日~11月15日の図でわかります。しかしその時点でも、東京以外では減少が続いていました。
10月1日にgo to トラベル キャンペーンが東京発着でも開始されます。それを機に全国で感染拡大が始まります。そして東京論壇すべてがgo to トラベルキャンペーン攻撃に論をうつします。

まとめ

感染拡大は、連続した地域での感染と、突発的な他地域からの感染とで構成されます。密な都市があれば、その都市で連続した地域での感染が続き、そこを元にして全国の地域で、突発的な移動による感染が続きます。感染に強い国土は、密な都市の規模を縮小することによって達成されます。東京一極集中を是正しなければいけないことを強く訴えたいと思います。

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

付録

東京大阪に次いで大規模都市を抱える北海道、福岡、愛知のデータも見てみましょう。それぞれ事情が違うことが解ります。しかし第一波の収束の失敗が第二波の到来を招いたデータは、この3都市にもありません。
北海道の新規感染者経緯を見てみましょう。北海道は図から解るように第一波の収束が遅れました。しかしそれをきっちりと収束させ、第二波には繋げていません。全国での第二波は、北海道では見られていません。

福岡の新規感染者の推移です。ここでは3日移動平均を使っているのが、本記事での7日移動平均と違っています。統計にはどうしても曜日の変動(土日は医療関係者も休まなければ長期戦に耐えられない)が避けられないため、3日平均では週による変動が入ります。
それを除いては、一番全国の推移と似ているかも知れません。しかし第一波の収束の失敗が第二波に繋がった東京と比べても、第二波の発生時期は遅いことも解ります。第二波を牽引したのは間違いなく東京です。

愛知県の推移です。愛知では第一波がきっちりと収束しているのが解ります。

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