エネルギーって何だろう 1

エネルギーって何だろう。このブログの主題です。でもこの答えに対しては、物理学者の私としては、エネルギーの法則に従う、ある量だと言わざるを得ません。そしてエネルギーの法則としては、エネルギー保存則とエントロピー増大則しかないのです。

従ってエネルギーって何だろうという問いの答えは

エネルギー保存則とエントロピー増大則に従う量であると言うことになります。これじゃあ解りませんよね。解らなければ物理学を勉強しろ、では私の立場はない。そこで解りやすくするために、次のように言い換えることを提案しています。

プラハにある時計。時間とエネルギーは表裏の関係がある

エネルギーの三つの性質

エネルギーって何でしょう。
???ですよね。でも答えが分らなくとも、皆エネルギーの例は知っています。例えば電気はエネルギーです(電気エネルギー)。しかし直接には使い物にならないエネルギーです。電気は光に変わったり(光エネルギー)、音に変わったり(音エネルギー)、何かの運動に変わったり(運動エネルギー)、様々なエネルギーに変わって人の役に立ちます。そこで我々はエネルギーの大切な性質を知ります。

エネルギーは形を変える

これが三つの性質のうち第一の性質です。
但しここでエネルギー保存則が入ってきます。エネルギー保存則は、多くの物理学者が、物理法則のうち最重要の法則であると考えています。何故なら私たちの周りには様々な物理現象がありますが、どの現象をとっても必ず成り立っている法則だからです。エネルギーの第二の性質は、エネルギー保存則を反映して、次のようになります。

エネルギーは形を変えても量は変わらない

この性質がエネルギーにとって一番大切な性質なのです。電気エネルギーが他のエネルギーに変わっても、言い換えれば電気エネルギーが消費されても、消費した電気エネルギーの量だけ、他のエネルギーが発生するのです。この法則は厳密に成り立ちます。少しの増加も少しの減少もありません。

例えば

光源は光を得るためにあります。つまり光エネルギーを発生させます。光エネルギーを発生させる為、最近は電気を使うことが多いのは皆さん解るでしょう。電気の消費量は解ります。W(ワット)とかWh(ワットアワー)ではかる量です。WとWhの違いは非常に大切ですから別の記事でご説明します。この二つを混同しないように。
いずれにせよ消費した電気エネルギーは解ります。電気エネルギーが何かのエネルギーに変化したわけです。
一部は明らかに光エネルギーになりました。だって光源ですから。
しかしすべてが光エネルギーになったわけではありません。電灯は暖かくなるでしょう。暖かくなるのは熱エネルギーが発生している印です。この熱エネルギーも電気エネルギーが変化した物です。また良く耳を澄ませば光源から鈍い音がかすかながらも出ているかも知れません。その場合少ないながらも音エネルギーが発生していることになります。
電気エネルギーは光、熱、音のエネルギーに変わりました。
変わっても量は変わらないというのが二番目の性質です。発生した光、熱、音、場合によってはその他のエネルギーの総量は、消費した電気エネルギーの量と完全に等しいのです。
これがエネルギー保存則です。言い換えれば、発生する光エネルギーは、消費した電気エネルギーを越えることなく、通常少なくなっているのです。
このようにエネルギーは形を変えていきます。だがその量を変えることはありません。そして・・・

すべてのエネルギーは最後は熱エネルギーになる

そうです。エネルギーには最後の形があるのです。これはエネルギー関係者も皆忘れがちなことです。しかしこの性質を忘れてはいけません。そしてこの性質を詳しく記述したのが、エントロピー増大則という少しわかりにくい法則です。私が大学生のとき、統計熱力学という科目の最終試験の問題の一つが、「エントロピー増大則を日本語に訳せ」でした。
先ほどの例で見てみましょう。電気エネルギーを消費して光エネルギーを得るのが光源です。消費した電気エネルギーの一部が光エネルギーとなり、他は音エネルギーや熱エネルギーになりました。そして光エネルギーは更に変化していって最後は熱エネルギーになります。付随した音エネルギーも更に変化して熱エネルギーになります。つまり消費した電気エネルギーは、一部はその時の目的である光エネルギーに変わり、残りは付随した音エネルギーなどに変わりますが、最終的にすべて熱エネルギーに変わるので、消費した電気エネルギーの量だけ、結果的に熱エネルギーが発生します

モルダウ(バルタバ)川。自然エネルギーは流れと考えればイメージしやすい。


以上の性質から言えることは

光源から発生する光エネルギーは、消費された電気エネルギーを越えることはない

ということがまず言えますが、一方で

消費された電気エネルギーの量は、最終的には同じ量の熱エネルギーとなる

ことにもなります。この二つがエネルギーを基本から考える場合、常に使われる基本になります。

まとめ

エネルギーについての三つの性質

  • エネルギーは形を変える
  • 形を変えるが量は変わらない(エネルギー保存則)
  • エネルギーの最後の形は熱エネルギーである

これはこのブログで何回も出てくる基本的事項です。

そしてそれから直ちにいえることは、電気などの直接的エネルギー源を消費して、光などの目的エネルギーを得ますが

  • 発生する目的エネルギーは、消費された直接エネルギー源の量を超えることはない
  • 消費した直接エネルギー源と同量の熱エネルギーが最終的に発生する

ことが言えます。

以上がエネルギーを理解する基本となります。具体例はこのブログの様々な場所で展開します。

またまとめてエネルギーについて知りたい方は、3.11の最中に私が書いていた一般の人向けの解説書をご覧下さい。
コロナ禍の中で書評を書いてくれた人がありました。コロナ禍で3.11を思い出すのは、私だけではなかったのです。ゆうこたなかさんというかたですが、ひょっとして私がいた大学の総長さんかな? 面白いが数式が難しいとありますが、もし総長さんなら忙しい中で読んで頂いて感謝の限りですが、ゆっくり読めば数式もそう難しくないと指摘したいと思います。

文系人のためのエネルギー入門: 考エネルギー社会のススメ

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

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