自然エネルギーって何だろう

自然エネルギーとは?

自然エネルギーって何でしょう。
この記事を理解するには、エネルギーについて知らねばなりません。まずエネルギーって何だろうの記事を読んで頂ければと思います。
>>エネルギーって何だろうの記事を読む
多くの人が自然エネルギーと言えば太陽光発電みたいに、発電と考えてしまいます。これは正しくありませんし、実際ドイツなど自然エネルギーが普及している国では、必ずしもすべて発電に使っているわけではありません。自然エネルギー即発電という発想をやめましょう。

自然エネルギーを再生可能エネルギーと言ったりします。再生可能エネルギーは英語のrenewable energyの直訳です。私自身は再生可能エネルギーという言い方は余り好きではありません。また再生可能エネルギーと自然エネルギーは、若干意味が違います。英語ではnatural energyとは言いません。これは詳しく言えば、自然という概念とnatureという概念がぴったり同じではないことから来ます。人をnatureの中に入れるかどうかが、欧米の思考と日本あるいは東アジアの思考が決定的に違う点です。
しかしそのことは改めて考えましょう。ここでは「自然エネルギーとは何か」という問いに対する答えを書くことに集中しましょう。

まず第一に認識すべきことは次のことです。
エネルギー源は二種類あります。また二種類しかないのです。

その二種類とは、言葉を弄ぶようですが、資源と自然です。資源エネルギーと自然エネルギー。そして資源エネルギーは、化石燃料と核燃料しかありません。言い換えれば自然エネルギーは、化石燃料と核燃料を除いたすべてのエネルギー源であることになります。
次のような早とちりをしないで下さいね。「自然エネルギーって化石燃料でも核燃料でも無いエネルギー源なんだ。科学の進歩で新しく見つかるエネルギーは、化石燃料でも核燃料でもないから自然エネルギーなんだ。」もし貴方がこう思ったら、エネルギーって何だろうという先ほどの記事を読んで下さい。エネルギーは変化するが量は変わらないです。ないところに新しくエネルギーは作れない、つまり科学の進歩で新しいエネルギーはエネルギーの基本性質から作れないのです。

化石燃料も核燃料も消費してない状態でも、我々の周りの現象には大きなエネルギーが伴っている

我々は現在莫大な量の化石燃料と核燃料を消費しています。しかし仮に化石燃料も核燃料も消費してなくても、我々の周りの現象には、莫大な量のエネルギーが伴っています。何故ならすべての現象にエネルギーが伴っているからです。資源エネルギーである化石燃料や核燃料が作り出すエネルギーがない状態が持っているエネルギーをすべて、自然エネルギーと言うのです。
例えば風はエネルギーを持ちます。風は波を作ります。風のエネルギーが波のエネルギーに変わりました。風のエネルギーも波のエネルギーも電気エネルギーに変えることが出来ます。自然エネルギー発電です。
風や波は広い意味での気象です。気象すべてにエネルギーが伴います。雨、雪、風、波、太陽の光。

自然エネルギーの大元は、ほとんど太陽エネルギーである


実は通常の気象のエネルギーはすべて太陽エネルギーの変形です。
更に言えば、地上のありとあらゆる現象に伴うエネルギーも、通常太陽エネルギーの変化したものです。
例えば人もエネルギーを伴います。食べ物からエネルギーをもらって。食べ物は体内で燃され、体内の各部で我々が生命活動をするためのエネルギーとして消費されます。我々の必要とするエネルギーは、良く知られているように一日二千キロカロリーです。我々は一日二千キロカロリーを、生命活動に伴う活動エネルギーとして消費します。そして最後はすべて熱エネルギーに変わりますから、我々は一日二千キロカロリーの熱を体外へ出します。一日二千キロカロリーは、平均100Wに相当します。我々はおよそ100Wのヒーターでもあります。
人のエネルギーも元はといえば太陽エネルギーです。植物が光合成で太陽エネルギーをブドウ糖に蓄えます。植物は太陽エネルギーを貯蔵しているのです。動物がそれを食べます。人がそれらを食べます。こうして太陽のエネルギーが、動物や人に渡されます。この世のすべての生命活動に太陽エネルギーの変形を見ることが出来ます。
地球に降り注ぐ太陽エネルギーは莫大です。それは簡単に計算できます。174兆kWです。人一人は太陽エネルギーの内、100/(174兆×1000)=1740兆分の一のエネルギーを使って生きているわけです。今全人口は70億ですから、人は太陽のエネルギーの内70億/1740兆つまり100万分の4程度の分け前を、地球上のすべての現象と太陽エネルギーを分かち合いながら、受け取って生命活動をしています。これが食事から得るエネルギー、つまり生命維持に使うエネルギーです。
人が化石燃料を燃して得られるエネルギーを統計で見てみると、それ以外に人類はその数十倍のエネルギーを化石燃料から得ています。これを太陽エネルギーからの分け前で計算すると、一万分の一程度になるでしょう。かなりの量です。分散した太陽エネルギーを集中させてどこかに一万分の一だけを持ってくると、集中させるだけ無駄が出ますから、それだけ難しくなります。一方人口を分散化させ、その地域に降り注ぐ太陽エネルギーのうち一万分の一程度を、有難く使わせてもらうとしたら、恐らく充分頂ける量となるでしょう。その地域にどれくらいの自然エネルギーがあり、どれくらいなら人の分け前としてもらうことが出来るか、考えながら社会を築いていけば、もったいないくらい有難い、大量の太陽からの贈り物です。

太陽以外からの贈り物

自然エネルギーの起源には、もう二つのものがあります。一つは地熱、もう一つは潮汐です。どちらも地熱発電、潮汐発電として、それなりに知られています。自然エネルギーの内、この二つは太陽起源ではありません。

地熱

地熱は太陽とは別起源です。地球の内部からのエネルギーの流れです。地熱は昔から日本人は有効活用していました。そうもちろん温泉です。お風呂好きの日本人ですが、風呂を沸かすには何らかのエネルギーが必要です。最近はガスを使うことが多くなりました。一方温泉は自然に熱いお湯が沸いてくるのですから、自然エネルギーで暖まっています。
自然エネルギーはこのように電気に変えずともそのままの形で、使う方法もあるのです。自然エネルギーの直接利用です。これからは自然エネルギーの直接利用法を考える方が、自然エネルギー発電よりも、かっこいいことになっていくと思います。温泉のお湯を使う温泉卵も、自然エネルギーの直接利用ですね。

地熱発電はもちろんありです。でもひょっとしてそのまま使えるとしたらという発想は、つまり直接利用できないかという発想は、常に持つべきと思います。

潮汐

潮汐は潮の満ち干ですね。この現象のエネルギー源は、太陽でもなければ地熱とも違います。何と思います。これって意外に難しい問いです。正しい答えを思いつく人は少ないでしょうという意味で。
正しい答えは地球の自転のエネルギーです。
地球の自転のエネルギーがエネルギー源とすれば、エネルギーの法則が厳密に成り立ちます。つまりエネルギーは形を変えるが量は変わらないという法則です。地球の自転のエネルギーが潮汐のエネルギーに代わるとすれば、潮汐のエネルギーに変化した量だけ、地球の自転のエネルギーが少なくなります。言い換えれば地球の自転の速さが遅くなります。
え、そんなって思うでしょう。地球の自転の速さが遅くなったら・・・。一日が段々長くなります。
実際一日はほんのわずかずつですが、長くなっています。そのレベルは100年に一秒程度ですが。閏秒ってあるの知ってます? 一日の長さが、それこそ一秒程度長くなったり遅くなったりするので、それに合せて一秒時計を深夜0時に進めたり遅くしたり。時々ありますが、一生のうちにそう何度もあるわけではありません。でもいずれにせよ地球の自転の速さは少しずつ変化するのです。そして長期的には、一日の長さは少しずつですが長くなっています。その主たる原因は潮汐にあります。

太陽エネルギーと地熱のエネルギー源は?

さて自然エネルギーは、太陽エネルギー由来のものがほとんどですが、地熱と潮汐だけそうではないと説明してきました。潮汐は地球の自転のエネルギーがエネルギー源であるとも。
では地球の自転のエネルギーは、何から生まれたのでしょうか? 改めて確認しますが、エネルギーは作り出すことが出来ません。
地球の自転のエネルギーの元は、重力エネルギーです。太陽系が生まれたとき、広大な空間にある微粒子達が、互いに万有引力で引き合いながら、徐々に集まり始めます。互いに引き合いながら距離を縮めていきますと、渦を巻きながら集まっていきます。この渦が最終的に太陽系の諸天体の、公転となり自転となります。地球の公転のエネルギー、自転のエネルギーは、元はといえば重力のエネルギーです。
渦を巻きながら集まった微粒子達は、中心に巨大な塊を造り、そして周辺に中心よりずっと小さな、しかし数多くの天体を作り出しました。地球もその一員です。周辺に生まれた数多くの天体の一つです。
中心に集まった微粒子達は、周辺に集まった微粒子達が作る天体よりもずっと大きい、巨大な天体を作りました。これが太陽です。
面白いことに中心に集まる微粒子達は、宇宙の中で最も多い、そして最も軽い微粒子達です。その微粒子とは水素原子です。周期律表を見て解るように一番軽い元素。そして宇宙の中で最も多い元素です。何故なら宇宙の始めビックバンでは、基本的に水素しか作られなかったからです。
つまり中心に出来た天体、つまり太陽は、ほとんど水素から成り立っています。

中心に集まった莫大な水素達は、重力によって更にどんどん中心に集まります。重力エネルギーがどんどん減少し、微粒子達つまり水素原子達の運動エネルギーに変わります。そのうち水素原子を構成する電子が、水素の原子核からはぎ取られ、水素原子核と電子がばらばらに運動するようになります。この状態をプラズマといいます。

プラズマ化した原始太陽は、更に収縮を続けます。重力エネルギーがどんどん粒子の運動エネルギーに変わります。言い換えれば熱エネルギーに変わります。原始太陽の中央の温度がどんどん高くなります。そして

核反応の発火点で、核融合反応が起こります

温度が充分高くなれば、核融合反応が起こります。水素の原子核が核反応でヘリウムの原子核に変わり始めます。そしてこのとき太陽は100億年続く太陽エネルギー放射を開始します。太陽から地球に太陽エネルギーが届き始めます。

それ混元すでに凝りて、気象未だ現れず

それこんげんすでにこりて、きしょういまだあらわれず。これは古事記の実質的な出だしの文です。抽象的な文ですが、古事記の宇宙観を表す一文です。創世記の最初の文とも比較できる、日本文化の出発点となる文です。
この文を10年ほど前見つけたとき、私はすごく感動しました。20世紀をかけた物理学が解明した太陽系の始まりを、わずか20文字ほどでこれほどまでに見事に語ることが出来るのかと。
ここで気象とは今でいう気象と意味が違います。森羅万象の現象でしょう。しかしこの記事の最初に説明したことを思い出して下さい。気象のエネルギーは、すべて太陽エネルギーの変化したものであると。
逆に気象の定義を言い換えたらどうでしょう。太陽エネルギーを作り出す現象すべてを気象というと。これが古事記で書かれた気象の意味です。
そうすれば「混元」はすでに固まったが、気象はまだ現れていない、という現代語に、古事記の最初の文を訳すことが出来ます。上に記述した太陽系が成立し、太陽系すべてが太陽が輝き始める瞬間を待っている状況を、簡潔な名文で示したのが、古事記の最初の文であると解釈できるのではないでしょうか。

いずれにせよ太陽エネルギーは凝固して出来た太陽が、核反応によって解放するエネルギーであることは、アインシュタインの相対性原理から解っています。そして観測によって解っている太陽の質量と、水素原子とヘリウムの質量ならびにアインシュタインの有名な公式を使って、太陽が一生の間に放出するエネルギーが簡単に計算されます。そしてそのエネルギーの一秒の値と、太陽と地球までの距離、そして地球半径から、さきほど書いた174兆kWの値は正当化されるのです。その計算は誰にでも解ることを、興味ある方は拙著でご確認下されば幸いです。

エネルギーの計算は簡単です。それを理解して自然エネルギー未来社会を皆で考えて築いて行こうではないですか?

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

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