自然エネルギー未来社会へトップで走る北欧

アフターコロナでは、日本はこれまで事実上無視し続けた持続社会へと、大きく舵を切らねばなりません。持続社会は現代社会とは大きく異なった社会でしょう。現代社会は化石燃料に頼り切った社会ですが、無制限な化石燃料社会の弊害が、今回のコロナ禍を生んだとも言えます。コロナ禍でお家に閉じこもる時間を豊かにするためにも、アフターコロナ社会へ思いを馳せてみませんか?
未来社会は自然エネルギーに支えうる社会です。何故なら化石燃料は有限であり、人類を豊かにするはずだった化石燃料が、気候変動やコロナ禍など、逆に多くの人に苦痛を与える社会を生み出したからです。社会構造、ライフスタイル、人々の働き方、価値観など大きく変わっていくでしょう。
自然エネルギーに支えられる社会は、大都市集中社会ではありません。何故なら自然エネルギーはそのほとんどが太陽起源であり、したがって集中はせず、広がりを持った空間で、豊かな太陽の恵みを受ける社会となるでしょう。
面白いことに、太陽の恵みが最も少ないと考えられる北欧諸国が、自然エネルギー未来社会へのレースで、先頭を走っているのです。それを見てみましょう。

SDG7のデータが抜群に優れている北欧諸国

IEA(International Energy Agency)という国際的な組織があります。この組織はOECDが石油危機に際して設立した組織で、その目的の中心は、全世界の人々が、長期にわたってエネルギーの恩恵を受けられるよう、世界中のエネルギーデータを集計することにあります。
国連の主導で、近年SDGsが大きく取り上げられるようになりました。Sustainable Development Goals、すなわち世界が持続的に発展する為の目標が、複数設定されたのです。日本政府もあるいは日本の多くの企業も、積極的に取り組むことを機会ある毎に宣伝していました。
もちろんエネルギーに関しても、考えないわけには行きません。7番目のゴールとして(SDG7)、再生可能エネルギー(自然エネルギー)についての項目があります。そしてそのSDG7についてのデータを、IEAは発表し始めました。それをここでは見てみましょう。データは次のようにネーミングされています。Share of renewables in final energy consumptionです。
final energy consumptionとは社会的なエネルギー問題を考えるときの、重要な概念の一つです。そのまま最終エネルギー消費と訳されます。
これは何かというと、エネルギー消費現場で消費されるエネルギーのことです。エネルギー消費現場は例えば家庭であり、職場であり、工場であり、車両でもあります。それらが電気、ガス、石油製品などを消費しますが、そのエネルギー量が最終エネルギー消費です。つまり実際に使われているエネルギーのうち、どれだけが自然エネルギー由来かを見る指標がShare of renewables in final energy consumptionだということになります。

次にIEAのHPからShare of renewables in final energy consumptionの北欧諸国の例を見てみましょう。縦軸はこの量を%で表したもの、横軸は西暦を表します。まずスウェーデンです。1990年には1/3ほどが自然エネルギー由来だったのが、2016年には半分を超えています。

スウェーデン

自然エネルギーが最終エネルギー消費の中で占める割合の変遷-スウェーデン

デンマーク

自然エネルギー由来が最終エネルギー消費に占める割合-デンマーク

次はデンマークです。1990年はわずか7%ほどだったのに、20年足らずの間に大きく成長し今や30%を越えています。

アイスランド

上二図と同、アイスランド。割合が大きくページを挟んだので、上部が切れている。

極めつけはアイスランドです。2008年頃70%越えをし、2016年には80%程度に達していますが、IEAの原図ではページが切れ、コピーするとき上部が切れてしまいました。IEAのHPで直接ご覧下さい。

日本との比較

日本ではどうなっているでしょうか? 知るとびっくりですよ。心準備はよろしいですか?

桁が一つ違うのじゃないと思いたくなりますが、こんなものだということ、日本人皆が知る必要があります。自然エネルギー由来のエネルギーと核エネルギー由来以外は、すべて化石燃料由来のエネルギーとなります。福島原発事故以前でも核エネルギー由来のエネルギーは、最終エネルギー消費の6~7%程度でした。仮に原発を以前と同じ程度に戻して自然エネルギー由来と加えても、化石燃料由来は90%近く必要になります。私たちの社会は化石燃料にどっぷりとつかっていて、化石燃料が無ければ、何も出来ない社会なのです。
将来間違いなく化石燃料は値上がりします。何故なら有限な資源であり、その有限性が明らかになるにつれ、希少価値から価格は上昇する以外にありえないのです。このままの社会や生活を続けることは、日本の自殺行為になります。特に知恵足らずの原発推進論者がよく言うように、日本は資源のほとんどを輸入しているのです。化石燃料が少なくなったとき、どの国が喜んで日本に貴重な資源の輸出を望むでしょう。

化石燃料の問題は、日本ではCO2排出問題としか捕えられていませんでした。CO2排出削減の真の意味は、自然エネルギーで生きていけるようにしようよです。ヨーロッパ諸国がCO2削減論を推進しています。そして北欧を先頭として、欧米諸国ではrenewable share in final energy consumptionの割合は、明らかに上昇しています。CO2削減はきわめて政治的スローガンであり、環境破壊をCO2の上昇によってのみ計るのは、きわめて危険であることは、科学的思考法をもって考えると、自明のことに思えます。体制の御用学者じゃない限りは。

日本とスウェーデンでの、一人当たりのCO2排出量の推移

CO2排出量の変遷について、実際のデータで見てみましょう。同じくIEAから誰にでも開かれた図を転載します。CO2の排出量を年を追って見たいのですが、人口が多い国ではCO2排出量は当然増えますから、ここでは一人当たりのCO2排出量で見てみます。IEAのHPでは国全体のデータも容易に見ることが出来ます。まず日本から見てみます。

グラフから解るとおり、あれほど企業がそろってCO2削減を合唱していたのに、また現都知事がクールビズを魔女狩りの呪文のごとく唱えていたのに、日本ではCO2削減は実質上全く行われていません。一方スウェーデンを見てみましょう。

見事にCO2排出量が削減されています。これは何もスウェーデンに限ったことではなく、欧米諸国で大なり小なり起こっていることです。日本だけやってる感で満足して、全く効果はないまま、この20年が過ぎているのです。やってる感を出せばそれでよしという政治家達は、この20年間の日本人が育て上げたのです。官民そろって亡国の徒に成り下がってしまっていたわけです。

やめよ離騒の一悲曲

今更言っても仕方ありません。コロナに耐えながら、新しい動きを始めましょう。その第一歩として北欧を知ることから始めませんか?

意外と身近な北欧

北欧はどちらかと言えば、日本から遠い存在と思われがちです。ドイツ、フランス、イタリアなどと違って。でも意外と身近なんですよ。

日本から短時間でヨーロッパに行くにはフィンエアーを使うと良いです。フィンランドの航空会社です。北極に近いのでそれだけ短距離になります。地球儀があれば確かめて見ましょう。

20世紀に勃興した最大の芸術・娯楽は何と言っても映画でしょう。20世紀ハリウッド映画の勃興は、やはり時を同じくして勃興したアメリカを代表するものでした。この記事トップのアイキャッチ画像に使ったのは、ハリウッド初期の映画からの画像ですが、この美しい女優さんはグレタ・ガルボといって、世界的大スターでした。写真はトルストイのアンナ・カレーニナの最初の映画化である作品からのものです。1930年代の映画ですから、同じ時代に日本に入ったかどうかは知りませんが、名画として時折テレビでも紹介された女優さんです。グレタ・ガルボ、イングリット・バーグマン、初期のハリウッドの女優さんには、スウェーデン出身の人が結構いました。

私のスウェーデン体験

スウェーデンは私の最初の世界旅行の目的地の一つでした。もう42年前になります。そのころは海外旅行などめったにないことで、私自身も行けるなど思ってない時代でした。最初に書いた学術論文を認めてくれた研究所の一つが、スウェーデンのウプサラ大学にあった研究所でした。その時の感激は未だに忘れません。
スウェーデンに行って見ると、美男美女がとても多いことにびっくりしました。さすがグレタ・ガルボの国だと思いました。そして皆大柄なのです。ほとんどの人が2メートル前後だと考えたほうが良い。
一番驚いたのは、とても議論好きなことです。研究所では各自自分の部屋で研究をしているのですが、その研究所では午後3時になると、一斉にサロンに集まって来、コーヒーを飲みます。そして議論を開始するのです。その内容は他愛ない話と言うには結構重く、政治の諸問題などごく普通に語らえます。この議論好きという性質は、その後様々な地で、北欧の人と会いましたが、共通の性質であると認識しています。
そういう意味では、民主主義の原点を見るような気がします。いつ頃からこのような形が出てきたのか解りません。民主主義はフランス革命、イギリスの二度にわたる革命、アメリカ革命などで欧米社会に根付いていったと、高校の世界史では習います。でも北欧諸国は、根っこから民主主義的であるような気がします。
議論が各地で繰り返され、ある方向が人々に納得されたとしましょう。そうするとそれが実行されるのです。今回でもスウェーデンはロックアウトなど強硬措置をとらず、独自の路線を取っています。しかしそれは間違いなく多くの人が議論の結果納得している路線だと思います。
税金が非常に高い国ばかりです。しかしそれは皆が納得しているのです。その高い税金で、何を行うのか、皆が議論好きの国です。議論して納得しているのです。また一方控除枠も大きいものがあります。人生を楽しむものに対しては、通常税が控除されます。ヨットを買うとか、山荘を自分の楽しみのために持つとか、しっかり控除されます。一方山が個人の所有物でも、そこに自然に生えるキノコ狩りは、誰にでも自由に開かれています。そのような法律が出来ているのです。事実キノコ狩りは国民的娯楽の一つで、私も連れて行ってもらいました。危ないから自粛するなどという発想はないのですね。事実毎年死者も出ていたようです。
議論好きなこと、人生を楽しむという権利を重視すること、自分の時間を大切にすること、すべてごく自然に生活の中に溶け込んでいます。

議論の結果としての自然エネルギー導入

このような地域性の結果、自然エネルギー導入が進んでいったと思います。何もかもが日本と正反対で、日本では出来ないと思う人が多いかも知れません。しかし議論好きで、様々な場所での議論を積み上げての、多くの人が納得した上での民主主義は、実は日本でも明治初期まであったことではないかと、琵琶湖疏水を勉強する中で私は思い始めました。北垣の取った民主制には、これに似たものがあったように思います。北垣のことは並行してこのブログで展開していきます。
いすれにせよ草の根民主主義的な、多くの人の納得ずくの合意は、自然エネルギー未来社会建設には欠かせません。何故ならクールビズみたいな雰囲気だけを煽り何の効果ももたらさない「環境偽活動」は、百害あって一利もないことがデータからも明らかだからです。日本人はそんな言葉にだまされる馬鹿な民族ではない、千年以上の重みを持つ歴史の町京都で、つくづく思っていることです。

続きがあります。是非ご覧下さい。
>>続きを見る

えねるぎぃっ亭南駄老でした。

IEAのデータを見る

上に紹介したグラフを直接IEAのHPで見てみましょう。まず下のリンクからIEAのHPに入ります。または検索エンジンでIEAを検索します。
>>IEAのHPへいく
上部メニューでDATAを選択します。少しスクロールすれば、プルダウンメニューが横並びに3個並びます。左のメニューからSuatainable Development Goalsを選びます。そうすると二番目がRenewable share ・・・(SDG7.2)、三番目がworldとなります。下に出たグラフが世界の値の変遷です。世界全体で1990年には6.6%、2017年には10.5%に緩やかながらも上昇していることが解ります。数値はグラフの上にカーソルを置けば出てきます。
三番目のメニューのworldのところで、jaと打ち込めばjapanが出てきますので、それを選べば、上記のグラフが出てきますし、任意の国を同じ方法で選ぶことが出来ますので、やってみて下さい。

CO2emissionに対しては、左でCO2emissionsを選び、真ん中でCO2 emission per capita、右で国を選べば上のグラフも出てきますし、任意の国を調べることもできます。

多くの人にこのデータを知って欲しいと思います。 

おすすめの記事